【重いつわり(妊娠悪阻)】つらいときの対処法と受診目安

妊娠初期に多くの人が経験する「つわり」。でも、その中でも特につらく、日常生活に支障をきたすような症状が現れる場合、それは「妊娠悪阻(にんしんおそ)」と呼ばれる状態かもしれません。
この記事では、一般的なつわりとの違いや、妊娠悪阻のサイン、対処法、そして病院へ行くべきタイミングをわかりやすく解説していきます。
つわりと妊娠悪阻の違いとは?
まず知っておきたいのは、ほとんどの妊婦さんがつわりを経験するということです。一般的なつわりは妊娠5〜6週頃から始まり、12〜16週頃までに自然と落ち着いていきます。
しかし、「水も飲めない」「体重が急激に減ってきた」「気持ち悪さで一日中横になっている」など、日常生活に大きな支障をきたすレベルになってくると、それは妊娠悪阻の可能性があります。
妊娠悪阻とは、つわりの症状が極度に強くなり、脱水や栄養失調などを引き起こしてしまう状態を指します。
妊娠悪阻の主な症状
妊娠悪阻には以下のような特徴的な症状があります:
- 水分すら受け付けず、吐いてしまう
- 体重が妊娠前より5%以上減少する
- 尿の回数が減る、または尿の色が濃くなる
- めまい、立ちくらみ、ふらつきがひどくなる
- 一日中寝込んでしまう、倦怠感が強い
これらの症状が続いている場合、早めに医療機関を受診することが大切です。
なぜ妊娠悪阻になるの?原因は?
妊娠悪阻の明確な原因はまだはっきりしていませんが、以下のような要因が関係していると考えられています。
- ホルモンの急激な変化(hCGの増加)
- 自律神経の乱れ
- ストレスや不安感
- 初めての妊娠、または双子以上の多胎妊娠
- 胃腸がもともと弱い体質
誰にでも起こりうるものであり、「気の持ちよう」や「甘え」などと受け取られるべきものではありません。
病院での治療ってどんなことをするの?
妊娠悪阻と診断された場合、症状の程度に応じて以下のような治療が行われます:
- 点滴による水分・栄養補給(ブドウ糖・ビタミンなど)
- 必要に応じて吐き気止めの投与
- 入院による安静療養
入院が必要になることもありますが、適切な治療を受ければ、少しずつ症状が和らいでいくケースが多いです。
私も妊娠悪阻でした…体験談
ここでは、実際に妊娠悪阻を経験した方の声を紹介します。
「つわりは辛いと聞いていたけど、まさか水すら飲めないなんて思ってもみませんでした。朝起きてすぐ吐いて、そのまま何も口にできず…病院で点滴を受けて、やっと少しずつ回復。無理せず助けを求めてよかったです。」
同じように悩む方の参考になるよう、先輩ママの体験談を紹介しています。
重いつわり(妊娠悪阻)のとき、自分でできる対処法
病院にかかるほどではないけれど、つらさが続く…。そんなときに試してみたい、自宅でできる工夫や対処法をご紹介します。
- 無理に食べない、でも少量をこまめに口にする
空腹でも気持ち悪くなる場合は、ゼリーやクラッカー、炭酸水など「食べられるもの」を少しずつ試してみましょう。 - 冷たい食べ物・飲み物を選ぶ
においの強いものは吐き気を誘発するため、常温よりも冷たいものの方が食べやすい場合があります。 - においを避ける
調理のにおいがつらい場合は、家族に料理をお願いしたり、コンビニの冷たいおにぎりを活用したりしてもOK。 - 寝られるときに寝る
疲れやストレスも症状を悪化させる原因になります。体調が落ち着く時間帯を見つけて、少しでも体を休めてください。
家族やパートナーにできるサポートとは?
妊娠悪阻は、周囲の理解がとても大切です。本人も「何もできなくて申し訳ない」と感じがちですが、つわりは病気ではないものの、決して「我慢すればいい」というものではありません。
パートナーや家族にお願いしたいこと:
- 「大丈夫?」と声をかけるだけでも支えになります
- 買い物や料理、掃除などをできる範囲で代わってあげて
- においの強い食べ物やタバコを避けて
- 本人の体調に合わせて柔軟に動けるよう意識する
「そばにいてくれるだけで安心できた」という声も多く聞かれます。見えない辛さに寄り添う気持ちが、何よりも大きな支えになります。
いつまで続くの?回復の目安はある?
妊娠悪阻がいつまで続くのかは人によって違いますが、多くは妊娠16週頃までには軽減していきます。
しかし、場合によっては20週以降まで続くケースもあります。体調の変化を焦らず、今できることを少しずつこなしていきましょう。
「このままずっと続くのでは…」と不安になる方も多いですが、ある日を境に突然楽になることもあります。
つわりがつらい…それって妊娠悪阻かも?チェックリスト
以下のような症状がある場合、妊娠悪阻の可能性があります。
- 水や食べ物を全く受け付けず、すぐに吐いてしまう
- 数日で体重が急に2〜3kg以上落ちた
- 立ちくらみや脱水のような症状がある
- 尿がほとんど出ない、色が濃くなった
- 精神的にも限界を感じている
該当するものが複数ある場合、迷わず産婦人科に相談しましょう。
妊娠悪阻に関するよくあるQ&A
Q. 妊娠悪阻になると赤ちゃんへの影響はありますか?
一時的にママが何も食べられなくても、赤ちゃんはしっかり栄養を蓄えています。ただし、脱水や栄養不足が長く続くとリスクがあるため、早めの受診が大切です。
Q. 一人目のときは軽かったのに、二人目で重くなることはある?
あります。妊娠のたびに体の反応は異なります。前回軽かったからといって、今回も同じとは限りません。
Q. 点滴以外にできる治療はありますか?
症状により、吐き気止めやビタミン剤、場合によっては漢方薬を処方されることもあります。自己判断せず医師に相談しましょう。
重いつわりが続くとき、家族にできるサポートとは?
重いつわりは、体の症状だけでなく精神的な孤独感や不安も引き起こします。そんなとき、パートナーや家族の支えがとても大きな助けになります。とはいえ、どうサポートすればよいかわからないという声も少なくありません。
まず大切なのは、「つわりは我慢できるものではない」という理解です。重度になると水分も摂れず、入院が必要になるケースもあります。単なる気持ちの問題や甘えではないことを、正しく認識することが第一歩です。
具体的なサポートとしては、次のようなことが挙げられます。
- 家事や育児を一時的に代わって行う
- 無理に食べさせようとせず、本人のペースを尊重する
- 気分が落ち込んでいるときは「そばにいるよ」と静かに寄り添う
- 医療機関への受診を迷っている場合は、一緒に付き添ってあげる
また、上の子がいる場合には、遊び相手やお世話の時間を一時的に家族が分担することで、ママの心と体の回復がしやすくなります。
つわりが落ち着く時期と、回復後の過ごし方
つわりは妊娠12〜16週ごろを境に落ち着く人が多いですが、重いつわり(妊娠悪阻)の場合はその限りではありません。個人差が大きく、20週を過ぎても続く方もいます。長期化することで心身に大きなダメージが残ることもあるため、回復後も無理せずゆっくりと日常を取り戻すことが大切です。
回復後は以下の点に気をつけましょう。
- 無理な外出や復職は避け、体調優先の生活を続ける
- 体重が急激に減っていた場合は、栄養バランスを見ながら少しずつ戻す
- 自己判断で薬をやめず、医師と相談しながら服薬を調整する
- 今後の妊娠経過を安心して迎えるため、気になることは遠慮なく医師に相談する
つわりが終わった後、「普通の生活に戻さなきゃ」と急ぐ気持ちも出てきますが、それがかえって体調の波をぶり返す原因になることも。焦らず、できる範囲から日常を取り戻していくことが、穏やかな妊娠生活への第一歩です。
つわりの体験談|実際に妊娠つわりを乗り越えたママの声
つわりが重かった方の声をご紹介します。
「2人目妊娠のとき、1人目のときよりもつわりが重くて、ずっとベッドで寝てばかりでした。水すら飲めず、入院して点滴を受けたことでやっと少しずつ落ち着きました。あのとき、夫が仕事を休んで上の子を見てくれたのが本当に助かりました。」
「妊娠悪阻で入院して、周りに申し訳なさを感じてしまっていました。でも、看護師さんに『つわりは病気ではないけれど、病気のようにつらいんです。頼っていいんですよ』と声をかけてもらって、すごく救われました。」
どんなにつらいつわりも、永遠には続きません。いまは想像もできないかもしれませんが、きっと終わりはやってきます。焦らず、少しずつ心と体を整えていきましょう。
まとめ:妊娠悪阻は「病気じゃないから我慢」は間違い
つわりの重さには個人差がありますが、明らかに日常生活が難しくなっているなら、それは「妊娠悪阻」かもしれません。
我慢しすぎず、誰かに頼ることは恥ずかしいことではありません。自分と赤ちゃんを守るためにも、早めに医療機関へ相談しましょう。
少しでも心と体が軽くなりますように。
妊娠初期に摂りたい葉酸サプリ
妊娠初期に必要な栄養素をしっかり補いたい方には、葉酸サプリがおすすめ。赤ちゃんの神経管の形成をサポートすると言われています。
妊娠チェック!妊娠検査薬
特徴:1分から判定可能、判定結果が一目でわかります。おすすめ理由:コスパ重視で人気です。







