妊娠中に摂りたい栄養素30選|赤ちゃんとママの健康を守る食事のポイント

妊娠中は「2人分食べる」時代ではなく、「2人分考えて食べる」時代。体にいいとわかっていても、何をどのくらい摂ればいいのか悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、妊娠初期から後期にかけてママと赤ちゃんの健康を守るために必要な栄養素30種類をわかりやすく紹介します。毎日の献立に無理なく取り入れるコツや、よくある疑問にも丁寧にお答えします。
- 妊娠中に必要な栄養バランスとは?
- 1. 葉酸|妊娠初期に最も大切なビタミン
- 2. 鉄分|貧血予防に欠かせない
- 3. カルシウム|骨や歯の形成に
- 4. ビタミンD|カルシウムの吸収を助ける
- 5. ビタミンB6|つわり軽減に効果あり?
- 6. 食物繊維|便秘対策にも役立つ
- 7. たんぱく質|胎児の細胞を作る材料
- 8. ビタミンC|鉄分の吸収をサポート
- 9. DHA(ドコサヘキサエン酸)|脳や視力の発達に欠かせない
- 10. EPA|血流改善と炎症予防に
- 11. マグネシウム|子宮の収縮を穏やかに保つ
- 12. ビタミンE|細胞を守る抗酸化ビタミン
- 13. ビタミンA(βカロテン)|皮膚や粘膜の健康を守る
- 14. 亜鉛|味覚や免疫力のサポートに
- 15. ヨウ素|胎児の甲状腺機能の形成に
- 16. セレン|老化防止や細胞保護に
- 17〜30:他にも摂りたい栄養素
- 妊娠中の栄養摂取のコツ|無理なく毎日に取り入れる方法
- 妊婦さんの声|こんな工夫で乗り切った!
- 注意点|過剰摂取やNG食品には要注意
- まとめ|30の栄養素を味方にして、楽しく健康なマタニティライフを
妊娠中に必要な栄養バランスとは?
妊娠中は、赤ちゃんの成長とママの体の変化にあわせて、普段よりも多くの栄養素が必要になります。特に意識したいのは以下の4つの柱です:
- エネルギー源(炭水化物・脂質・たんぱく質)
- ビタミン・ミネラル(葉酸・鉄・カルシウムなど)
- 赤ちゃんの脳や骨を育てる成分(DHA・亜鉛など)
- 便秘やつわり対策に役立つ成分(食物繊維・ビタミンB6など)
ただし、無理にたくさん食べる必要はありません。1つ1つの栄養素をバランスよく、安心して摂取できるように工夫するのがポイントです。
1. 葉酸|妊娠初期に最も大切なビタミン
葉酸は、赤ちゃんの神経管閉鎖障害を予防するために、妊娠前〜初期にかけて特に必要とされる栄養素です。
- 必要量の目安:400μg/日
- 多く含まれる食品:ほうれん草、ブロッコリー、枝豆、アスパラガス、レバーなど
加熱に弱いため、ゆで時間は短めに。サプリメントと食事を併用するのも◎。
2. 鉄分|貧血予防に欠かせない
鉄分は妊娠中期以降に特に不足しやすくなります。胎盤や赤ちゃんの血液を作るために必要です。
- 必要量の目安:15mg/日(通常の約2倍)
- 多く含まれる食品:赤身肉、ひじき、ほうれん草、大豆製品、小松菜
ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率アップ。レモン汁やいちごなどと組み合わせましょう。
3. カルシウム|骨や歯の形成に
カルシウムは、赤ちゃんの骨や歯を作るために必要不可欠。ママ自身の骨密度を保つためにも欠かせません。
- 必要量の目安:650mg/日
- 多く含まれる食品:牛乳、ヨーグルト、小魚、納豆、小松菜
乳製品が苦手な方は、小魚や大豆製品で補ってください。
4. ビタミンD|カルシウムの吸収を助ける
ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、赤ちゃんの骨の発育に重要です。
- 必要量の目安:8.5μg/日
- 多く含まれる食品:鮭、サンマ、卵黄、きのこ類
日光浴でも体内合成されますが、屋内生活が多い妊婦さんは意識して食品から摂りましょう。
5. ビタミンB6|つわり軽減に効果あり?
ビタミンB6はホルモンバランスを整え、つわりの症状を和らげるといわれています。
- 多く含まれる食品:バナナ、さつまいも、マグロ、鶏むね肉
水溶性で失われやすいため、こまめな摂取が大切です。
6. 食物繊維|便秘対策にも役立つ
妊娠中は便秘になりやすいため、食物繊維をしっかり摂ることが大切です。
- 多く含まれる食品:ごぼう、キャベツ、玄米、さつまいも、こんにゃく
水分も合わせてしっかり摂り、スムーズな排便をサポートしましょう。
7. たんぱく質|胎児の細胞を作る材料
たんぱく質は、赤ちゃんの筋肉や臓器、皮膚などを作る元となる栄養素です。
- 多く含まれる食品:鶏むね肉、卵、大豆製品、魚、ヨーグルト
植物性と動物性をバランスよく摂るのが理想的です。
8. ビタミンC|鉄分の吸収をサポート
ビタミンCは、鉄の吸収を助け、免疫力を保つ働きもあります。
- 多く含まれる食品:いちご、キウイ、ブロッコリー、ピーマン
サラダやフルーツで手軽に取り入れましょう。
9. DHA(ドコサヘキサエン酸)|脳や視力の発達に欠かせない
DHAは赤ちゃんの脳神経や視覚機能の発達に重要な成分。妊娠中は特に摂取が推奨されています。
- 多く含まれる食品:青魚(サバ、イワシ、マグロなど)
お刺身は避け、焼き魚や缶詰(塩分控えめ)で手軽に取り入れるのもおすすめです。
10. EPA|血流改善と炎症予防に
EPAは血液をサラサラにし、妊娠中の血栓予防にも役立ちます。
- 多く含まれる食品:サバ、イワシ、サンマ、マグロ
DHAと同様、魚の加熱調理をメインに。週2~3回を目安に摂取を。
11. マグネシウム|子宮の収縮を穏やかに保つ
マグネシウムは、妊娠高血圧症候群や早産リスクの軽減にもつながる栄養素です。
- 多く含まれる食品:納豆、アーモンド、玄米、ひじき
大豆製品を中心に、日常的に取り入れられる食材が多いのが特徴です。
12. ビタミンE|細胞を守る抗酸化ビタミン
ビタミンEは、血流を改善し、ホルモンバランスの安定にも一役買います。
- 多く含まれる食品:かぼちゃ、ナッツ類、アボカド
おやつや副菜で手軽に取り入れやすい栄養素です。
13. ビタミンA(βカロテン)|皮膚や粘膜の健康を守る
摂りすぎは注意が必要ですが、βカロテン(プロビタミンA)は体内で必要な分だけビタミンAに変換されるため安全です。
- 多く含まれる食品:にんじん、ほうれん草、かぼちゃ
油と一緒に摂取すると吸収率がアップします。
14. 亜鉛|味覚や免疫力のサポートに
亜鉛は赤ちゃんの細胞分裂や成長に欠かせない栄養素。免疫機能にも関与します。
- 多く含まれる食品:牡蠣、牛肉、卵、納豆
過剰摂取に注意しつつ、バランスよく摂取しましょう。
15. ヨウ素|胎児の甲状腺機能の形成に
ヨウ素は、甲状腺ホルモンの合成に関わり、赤ちゃんの発育にも影響します。
- 多く含まれる食品:海藻類(わかめ、ひじき、昆布)
過剰摂取には注意が必要。サプリより食品から適量摂るのがおすすめです。
16. セレン|老化防止や細胞保護に
セレンは抗酸化作用があり、赤ちゃんの細胞を酸化から守ります。
- 多く含まれる食品:魚介類、卵、ブラジルナッツ
ごく微量で十分なので、特定の食品に偏らないよう注意しましょう。
17〜30:他にも摂りたい栄養素
- ナイアシン(たんぱく質代謝に):鶏肉、たらこ、まぐろ
- ビタミンB1(エネルギー代謝に):玄米、豚肉、枝豆
- ビタミンB2(粘膜や皮膚の健康):卵、レバー、乳製品
- ビタミンB12(貧血予防):魚介類、卵、牛乳
- ビオチン(糖・脂質代謝に):卵黄、きのこ類、大豆
- パントテン酸(ホルモン合成サポート):レバー、納豆、アボカド
- リン(骨や歯の形成):チーズ、魚、小魚
- 銅(鉄の利用を助ける):ナッツ類、貝類、レバー
- マンガン(骨の健康維持):全粒穀物、ナッツ、緑黄色野菜
- クロム(血糖値コントロール):ブロッコリー、レバー、全粒粉パン
- モリブデン(尿酸の代謝):大豆製品、海藻、そば
- コリン(脳神経発達):卵黄、大豆、牛肉
- リノール酸(細胞膜の形成):植物油、ナッツ、アボカド
- α-リノレン酸(DHAの前駆体):亜麻仁油、えごま油、くるみ
妊娠中の栄養摂取のコツ|無理なく毎日に取り入れる方法
1. 一汁三菜を意識する
栄養素のバランスを自然に整えるには、日本の伝統的な食事スタイル「一汁三菜」がぴったり。品数が多くなりすぎないよう、簡単な副菜を2〜3品取り入れるだけでもOKです。
2. 買い置きでストック調理
納豆、冷凍ブロッコリー、ツナ缶、豆腐などはすぐ使えて栄養価も高く便利。献立に迷ったときは「ご飯+汁物+納豆+野菜のおひたし」などでも十分です。
3. サプリメントは補助的に
つわりなどでどうしても食べられないときや、食事だけで足りない栄養素(葉酸・鉄分など)は医師と相談のうえ、サプリメントを活用しても構いません。
妊婦さんの声|こんな工夫で乗り切った!
- 「つわり中は、冷たいゼリーや野菜スープだけでもOKと割り切りました」(30代・妊娠中期)
- 「葉酸だけはサプリでカバー。食事は気にしすぎずバランス重視にしました」(20代・妊娠初期)
- 「コンビニでも枝豆やヨーグルトが手軽に買えて助かりました」(40代・妊娠後期)
注意点|過剰摂取やNG食品には要注意
いくら体に良くても、摂りすぎは禁物。特にビタミンA(レチノール型)、ヨウ素、鉄分の過剰摂取は注意が必要です。また、妊娠中は以下の食品も控えるようにしましょう:
- ナチュラルチーズ(リステリア菌のリスク)
- お刺身などの生魚(トキソプラズマや寄生虫のリスク)
- アルコール・カフェインの多量摂取
まとめ|30の栄養素を味方にして、楽しく健康なマタニティライフを
妊娠中の栄養管理は、完璧を目指すよりも「できる範囲でコツコツ続けること」が大切です。今回紹介した30の栄養素を参考に、ママと赤ちゃんの健康をサポートする毎日を過ごしてくださいね。
妊娠中に摂りたい葉酸サプリ
妊娠初期から後半、産後に必要な栄養素をしっかり補いたい方には、葉酸サプリがおすすめ。赤ちゃんの神経管の形成をサポートすると言われています。
妊婦の体を考えた食事
妊娠中は「赤ちゃんの成長」と「ママの体の維持」の両方を支えるために、普段よりも意識して栄養を摂る必要があります。妊婦さんの体と赤ちゃんを考えた、やさしい食事。







